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もう年度末

先の投稿から3ヶ月も経ってしまいました。あっという間に年度末ですね。忙しさを理由に学術活動は停滞、テニスの技術は低迷、一方で体重は飛躍していますが、体調良好なだけでも有難いと思う日々です。
そんな中、尊敬してやまないエッセイスト島地勝彦さんの言葉に叱咤されました。

「本当はxxがしたい」と言いながら、生活のために、忙しさのせいでと理由をつけて、したいことをしていない人間のなんと多いことか。公務員だろうがヤクザだろうが、本当に絵を書くことが好きな人間は絵を書いている。本当にピアノを引きたい人間は放っておいても毎日ピアノに向かう。絵が売れなくても聴衆がいなくてもそんなこと関係なしに筆を握り、鍵盤を叩いている。つまり「本当はxxしたい」と言っているだけの人間は本当はそれほどxxがしたいわけではないんだよ。人生に熱中できていない現実から目を背けるために、できない理由を探しているに過ぎない。

臨床麻酔は自分がやりたいことで、放っておいても日頃色々と考えます。一方、それ以外のことは今ひとつ没入していないのだと改めて気付かされました。面白くなるには没入することが必須です。
最近、身近なところで大きな出来事があって心穏やかに過ごすことはそう簡単にできそうにありませんが、それでも前を向いて、やるべきことを面白くなるまで没入しなくてはと自戒しました。自分だけでなく周りも色々と背負っているものがあるという他者感覚、敬天愛人(西郷どん、よかったですね〜)の精神も忘れずに。


# by goritousan | 2019-02-11 12:43 | 徒然

海外留学生

マレーシアの女性麻酔科医であるラグアン先生が3ヶ月間の臨床修練を終え、先日帰国しました。以前にもインドから2名の麻酔科医が留学してきましたが、彼女はこれまでの留学生とは比較にならないくらい(インドのお二人には申し訳ないですが)非常に真面目で、かつフレンドリーで多くの同僚はもちろんのこと、外科医、コメディカル、そして患者とも良好な関係を築いておりました。印象的だったのは、術前診察で彼女の臨床修練の同意書を取得する際に、彼女の麻酔業務を断った患者が誰もいなかったことです。敬虔なイスラム教徒でありヒジャブをまとった彼女を見て、患者さんの視線は最初は釘付けでしたが、愛くるしい笑顔と片言の日本語でコミュニケーションをとり、患者さんの心を掴んでいました。麻酔経験はすでに十分にある先生で、マレーシアの麻酔は日本と何も変わらない状況なので、3ヶ月間の留学で麻酔科学的に学べたことはあまりなかったように感じましたが、多くの同僚と様々な関わりを持つことができ、本当に充実した3ヶ月だったと言ってくれました。アクティビティも高く、週末や休みの日には、ポケットWiFIを片手に北海道各地を旅行して周り、札幌市内の地下鉄と主要都市までのJRはほぼ制覇していました。ちなみにポケットWiFiや携帯は外国人の短期契約だと手続きがとても面倒で、コストがかかることを先のインド人留学の際に学んでいたので、僕の私物を3ヶ月間貸していましたが、彼女はポケットWiFiのことをlife saverと呼んでいました。
イスラム教の人との関わりは自分自身も初めてだったので、ハラルフードのこととか、お祈りの時間やしきたりのこととか、イスラム文化についてもたくさん勉強させてもらいました。彼女も満足したようですが、同僚も英会話や異文化を学ぶ機会としてとても良い機会だったように思います。留学生の臨床修練を実践するまでには、多くの書類業務や大学側、厚労省、保険会社、学会との調整が本当に大変でしたが(英語論文執筆2本分くらいの時間と労力がかかります)、今回はラグアンにとっても自分にとっても同僚にとっても良い機会だったので(いわゆる三方よし)満足です。海外留学事業は今年度で最後なのが残念ですが、機会があればマレーシアやインドに留学生を訪ね歩きたいと思います。

# by goritousan | 2018-10-31 16:49

北海道胆振東部地震

約半年ぶりに更新です。
今まで遭遇した地震で2番目に大きい地震でした。現在、自分の周辺では食料品が不十分なくらいで、ほぼ日常を取り戻しています。
震源地に近いところではまだまだ大変な状況のようで早期の復旧を願うばかりです。

地震では自宅が40時間の停電でした。家がオール電化ということもあり、電気のない生活がいかなるものか、身をもって経験しました。携帯も電波が徐々に悪くなり、充電も難渋して親族には公衆電話から無事を知らせる連絡をしました。多くの知人からお気遣いのメールを頂いたり、ガスが使えるご近所さんから暖かい食べ物を頂いたりと、不自由な状況の中で人とのつながりの有り難みを感じた次第です。。。
防災グッズ、本格的に準備しようと思います。
カセットコンロとボンベ、携帯充電器、電池、ローソク、ポリタンクは早々にスーパーからなくなっていました。また、地震が起きた後、もし可能なら水を風呂やペットボトルなどに貯めておくのが良いと思います。最近、マイブームでキャンプ用品はかなり揃えていましたが、ランタンは役立ちました。溶けてくる冷凍食品をBBQグリルで調理して食べようかと思いましたが、さすがにご近所さんに気が引けて(煙とか匂いとかレジャー感とか..)断念しました。夏だからよかったようなもので、これが冬なら大変だったと思います。
被災して大変な方も大勢いらっしゃるのでできることからやろうと思います。日々の診療、そして節電ですね。

# by goritousan | 2018-09-08 18:10 | 徒然

もう年度末

今年度の下半期は色々と新しく、なかなかできない’仕事’をさせていただきました。資料作成からプレゼンまでとにかく大変でした。結果は出来レースでしたが、今はやり切った気持ちでスッキリしています。状況が落ち着いたら「オフホワイトの巨塔」とかいうタイトルで’某仕事’の顛末について記したいと思います。人間が社会的枠組みの中でしか生きられないことを考えると、今回の経験はより良い運と縁をもたらしてくれるような気がしています。


今月上旬はベトナム出張でした。ベトナムでの臨床研究にご縁があって参加してから丸2年が経ちました。毎年、3月上旬はベトナムに滞在しています。ベトナム語のカルテから英語のわかるベトナム人を通じて、臨床経過を掘り起こし、ELISA実験を行うという、観光ゼロの海外出張です。2年間である程度の成果が得られ、Case Seriesを掲載し、現在Case Reportを投稿中です。当初予定した症例数がほぼ集まったので、あとはまとめのOriginal articleを執筆してあと半年ぐらいで終了させてたいと思います。麻酔とは本質的にあまり関わりのない領域の研究なので最初は戸惑いましたが、多くの学びを得ました。そして忘れもしないのは2年前、ベトナムから羽田に帰国した直後に父危篤の連絡が入り、そのまま実家に帰省して数日後に父を見送りました。あの時、3月の風を感じながら羽田の到着ロビーの喧騒の中で不安を抱えつつ実家までの旅程手続きを進めたことを昨日のように思い出します。先日無事、父の三回忌を終えました。ある程度の規模で行う法会は三回忌までなので、七回忌までしばらく時間が空きます。こちらもひと段落です。


来年度は、しばらく落ち着いて自分の研究に向き合いたいと思い、講演や執筆を制限しています。どんな状況でもやりきることを大事にしてきましたが、抱えすぎるとそれぞれのクオリティが落ちてしまうというのを実感してきたためです。仕事もテニスもそのほかのプライベートも、もっと面白く、もっと良くなると信じて、一つ上のレベルで勝負できるように労力を注ごうと思います。周りの皆さんに迷惑をかけない範囲で。。

では、次年度も宜しくお願いします!


# by goritousan | 2018-03-26 13:42 | 徒然

豪雪地帯で室内テニス

すっかり冬になってしまいました。先日、雪深い小樽で室内テニスのダブルスの試合があり出場しました。いつもより若干レベルの高いカテゴリーだったのでどうなるかと思いましたが、20代ペアを相手に2連勝し、3試合目も4-0とリード。準決勝進出が見えてきたところで、ダブルスパートナー(50歳:元札幌代表)の足が痙攣。何とかプレーを続行しましたが, 足が動かなくなったことでボールを上手くさばけず、メガネにボールが直撃。メガネフレーム角度が120度くらいに開いてしまい、メガネを押さえながらプレーを続行するも上手くプレーできず、徐々に挽回されタイブレークで敗れました。二人合わせて92歳ペア。次は体力とメガネを強化して優勝を目指すことを誓い合った次第です。

さて、雪深い自然に出くわすと、必ず思い出すのは新田次郎の「八甲田山 死の彷徨」です。この小説は明治時代に実際にあった陸軍訓練中の事故に基づいています。日露戦争に向けた訓練として、青森の陸軍第5聨隊と第31聨隊で豪雪の冬の八甲田山での雪中行軍が企画され、両連隊は八甲田山ですれ違うように行軍する予定でした。第31聨隊は徳島大尉が指揮権全権を担い、入念な準備と適材の人選、雪中行軍研究を同時に進めながら、一人の死者を出すことなく見事に雪中行軍を全うします。一方、第5聨隊は当初、神田大尉が指揮権を持って準備を進めていましたが、彼の上司である山田少佐が神田大尉の計画に干渉し、実際の行軍でも指揮権を奪ってしまいます。現実に即した神田大尉の計画や提案に対し、山田少佐は精神論や自己顕示を優先する傾向にあり、冬山における基本的な準備や対策がないまま行軍を続け,210名中199名が凍死するという大惨劇を招きました。
最初にこの小説を読んだのは大学時代でしたが、物事の準備、実行、後始末のうち準備がいかに大事であるか、そしてリーダーシップとは何かを考えさせられました。また、実際に起きた事件を新田氏が入念に調査して書かれており、小説とはいえノンフィクションに近いということがとても衝撃的で、思わずその年の冬休みに「雪の八甲田山(温泉)ツアー」に参加して冬の八甲田山を見に行ったくらいでした。先日の雪深い小樽で思い出し、また読み返しました。この小説を読むのは、これで3,4回目でしたが、その時の年齢や置かれた立場で、感じ方が少しずつ変わってきたように思います。今回は、指揮権に統一性がないことによる現場の混乱と疲弊、命令の背景にある指揮官の思惑が私心に依っていると、組織全体が大事に至る可能性があることなどを、自分の状況に鑑みながら読み進めた次第です。
「七情」とも言われる私心は、誰でも日常的に湧いてくるものですが、私心から脱して、現実に即した冷静な分析と判断で物事を押し進めることできるかどうか。もう一度、日々の判断が私心に依っていないかどうか確認して諸事を進めようと思います。色々とね。

# by goritousan | 2017-12-18 19:36 | 徒然